渡部伝説第2章

今夏、息子の哲平と一緒に兵庫県明石市に1泊旅行に出かけてきました。JR西日本時代の旧友(やっさん)からの誘いで実現した親子二人旅。しかし、親父と子どもは離れ離れの宿で寝泊りだったのです。というもの、旧友(やっさん)は僕に昔話でもしながらゆっくりと酒を飲んでもらおうと、気をきかせて子どもチームと親父チームをわけてくれたのです。哲平も旧友の息子3兄弟と遊ぶのを心待ちにしていたようだったので、すんなり私の元から離れていったのでした。


やっさんに珍、デンデの悪友が加わって、話は大いに盛りあがりました。内容はと言うと、やはり、私の伝説についてであります。その中でも私自身が大ウケした話を紹介したいと思います。(今回は会話形式でお楽しみください。※渡部=通称ボボです。)


やっ:「おう、ボボ、タクシー事件、覚えているか?」

ボボ:「う~ん。覚えとらん。はよ、いいや~。どうせボケ話だろ~。」

やっ:「ボボな~。たしか、珍の結婚式の2次会に行く時だったと思うんだけど・・・。

   カラオケボックスに飲酒状態にもかかわらずに、自家用車で移動しようという話になったんだわ~。そん時にな。ボボがすごい剣幕で怒たんやわ~。「絶対駄目だ。飲酒はゆるさんけん。もしなんかあったらどうするねん。家族を泣かすな~。俺がタクシー代ぐらい、だしてやるから、言うことを聞け!」と涙目になって俺たちを制止してくれたねん。感動もんやったわ~。」              

他の悪友達も「そや、そや、そんなことがあったな~。」と目を細めて聞いていたのです。

僕もその当時の記憶はなくなっていたので、照れながらも「俺っていい奴だなあ~。男気

があるじゃないか~。」と喜んじゃったりして・・・。


し、しかしです。穏やかな表情で僕を見つけていたやっさんが、急に醒めた目つきに変貌。

そして再び口元が開き、

やっ:「しかしなあ~。タクシーに乗ってから、やっちゃたのよ~。ボボ~。お前がなあ~。期待通りのリアクションを!」

ボボ:「え~、はいちゃったの。気持ち悪くなって~。」

やっ:「いやいや、もっとすごいことや~。そらも~。みんな、あまりもの衝撃にひっくり返ってしもうたねん。な、珍。」

珍 :「そやったな~。あれには驚かされた~。もう予想外の出来事だもん。」

ボボ:「何だよ~。はよ~教えんかい。」

やっ:「ボボ、お前、タクシーに乗ってから、急に落ち着きがなくなってきたんだわ~。怯えた子犬のような目をして、キョロキョロキョロキョロしてたねん。「何や、コイツわ~。」と気味悪く感じてたねんけどな。タクシーを降りる時に判明したねん。お前の挙動不審な動きの理由が・・・。」

ボボ:「なんやねん。なんやねん。はよ言えやー。」

すると、やっさん、ニヤニヤとしながら                    

やっ:「お前、タクシーを降りたその瞬間に、満面のつくり笑顔で、それもタラちゃんのような幼児口調で「はい、タクシー代、一人500円でちゅう~。」とな、みんなに請求しやがったんや。あれだけ男気を見せたのにもかかわらず・・。わははははははははは。本当、おもしろかったわ~。あのギャップがな。新ジャンルの笑いだったわ~。わはははははははー。」

それを聞いた瞬間、なぜか僕も「わははははははは。」と大笑い。あまりのセコサに感動す

ら覚えてしまったのです。


落ち着かなくなったのは、奢るべきか、割り勘にするべきか、悩んでいたのでしょうね。

それも一度口にしてしまったものだから、今更言いにくかったのでしょう。

でも結局、請求するところがすごい。それもタラちゃん言葉でなんて。もう、この域に達

するとコメントのしようがないですね。えへへへ。


それにしても、何でこんなセコイ男と20年近くもつき合ってくれるのでしょうか?

ありがたいことです。                 

ボボこと渡部でした。