ワールドカップ3次予選オマーン戦

6月2日におこなわれたワールドカップ3次予選、対オマーン・ホーム戦。

日本は3対0と快勝し、

「とにかくかててよかった」

「攻めの姿勢をたもてたいい試合だった」

という感想をネット上でよくみかけた。


いやいやそうではなくて、

一歩まちがえたら4年前のアジアカップの再現だった、

とする見方もある(湯浅健二氏)。

(わたしは後半戦からテレビのスイッチをいれ、

中村俊輔選手が3点目をきめたところでテレビからはなれたので

なにもいう資格がない)。


きのうおこなわれた対オマーン・アウェー戦では

あつさと湿度にくるしめられ、

とくに前半終了間際では日本選手の足がとまり、

とても得点がみこめる雰囲気はなかった。

しかし、後半がはじまると、

日本が一方的にせめつづける展開となる。

オマーンは2点目をめざすのをやめ、

露骨に1点をまもる体制にきりかえたのだ。

日本がずっとボールを支配し、

やがて玉田が相手の反則をさそいPKをえる。同点。

それからのオマーンはまたせめの姿勢をとりもどし、

一進一退の攻防となった。

結局1対1のひきわけにおわる。


これはオマーンの戦術ミスといっていいのではないか。

いかに中東特有のスタイルとはいえ、

そして例のない灼熱のピッチコンディションだったとはいえ、

1点をまもって45分をおわろうとした消極性は

あつさにくるしむ日本の攻撃をたすけることになる。

「リスクをおかしてせめる」ことは

なにも日本だけがめざすスタイルなのではなく、

現代のサッカーにおいてかかすことのできないエッセンスといえる。

露骨にまもり「だけ」にきりかえたオマーンのサッカーはうつくしくなかった。


日本側からいえば、

おいついた直後にオマーンにPKを献上したわけだから、

楢崎がもしこれをおさていなければ、

2対1でまけるという結果もじゅうぶんにありえた。

では、この1対1のひきわけはさいわいだったのだろうか。

順当にワールドカップにでられたからといって、

それでよしとする気もちにはまったくなれない。

出場するのはもちろん大切だけど、

そこで日本らしい魅力的なサッカーをみせてくれることを

おおくのファンはのぞんでいるのではないだろうか。

このままいまの体制ですんなり3次予選突破、

そして最終予選をくぐりぬけるのは、

日本のサッカーにとっていいことばかりではない。


それにしても遠藤選手のPKはおもしろい。

なんであんなゆっくりなキックがとめられないのだろうとおもうのに、

相手のキーパーはおおくの場合うごくこともできない。

なんどスローでみなおしても遠藤選手の極意はわからない。

いつもああやってまったくあわてないできめる

遠藤選手のPKがだいすきだ。