キリンカップについて

代表監督がオシムさんから岡田氏にかわり、

代表チームへのわたしの気もちはいびつなものになってきている。

日本チームを応援するのではなく、

このままひどい内容の試合をつづけることで

今の体制が否定されることを、

公然とねがうまでになった。

サッカーのことをよく知りもしないものから

こんなことをいわれるのは、

岡田監督にとればたまったものではないだろうが、

オシムさんのもとでいい夢をみせてもらったあとでは、

いまのチームがくりひろげるサッカーはあまりにも魅力がない。


キリンカップの対象牙海岸戦では、

はじめて相手チームをこころから応援しながらみる試合となった。

おもえばあのジーコ体制のときですら、

どんなにわけがわからない試合をしても

けして相手チームの応援などしなかったのに。

結果は1対0で日本のかち。

日本のよさがでたというより、

象牙海岸のミスにたすけられた、という印象がつよい。


ところが、対パラグアイ戦もパラグアイに肩いれしてみていたら、

きれいにパスのつながるたのしいサッカーを

日本チームがしていることに気づく。

中村俊輔選手がいるということだけで、

こんなにチームのもちあじはかわるのだろうか。

そうなると気もちは自然と日本チームにうつり、

以前のように日本のゴールをねがいながらの観戦となった。


あたりまえのことだけど、

大切なのは、どんな内容のサッカーをするか、ということにつきる。

0対0のひきわけにおわったけれど、

ひさしぶりに日本らしさがでた試合だった。

日本を素直に応援できたことにすこしほっとする。

(吉田 淳)