最近の「自腹でどん」

毎月かっているパソコン雑誌『マックピープル』に、

「自腹でどん」という連載がある。

編集スタッフが、自分のお金でかった製品についての社内インタビューにこたえるページだ。

対象となる商品はいろいろで、

パソコンだったりプリンターだったりデジカメだったりする。

今月号では5000円のトイ・デジカメ・20.1インチのモニター・ノートパソコン(マックブック)、

それにフォトプリンターの4つのかいものがとりあげられていた。

雑誌本体の取材として商品をチェックするのではなく、

あくまでも自分がほしくて「自腹で」かったものについてのべるのスペースだ。

満足すべきかいものだったひともいれば、

意外と問題ありの商品で後悔している、というひともいて、

商売からはなれた率直な意見がたのしめる。


なにかにかいてあったけど、

あるひとの特性は、どうやってお金をかせいだか、

によってあらわれるのではなく、

どうやってつかったか、によってわかる、とあった。

そういわれると、たしかにそんな気がしてくる。

1000円のイヤホンで満足するひとがいれば、

2万円はらってでもいい音をもとめるひともいる。

ケチケチためてケチケチつかうのか、

つかうときにはあとのことを気にせずパッとつかうのかは、

かなりの程度そのひとのひととなりをあらわすだろう。


ということで、最近わたしがかった商品を紹介すると・・・

というながれになるところだけど、

じつはこのところ「自腹でどん」といえるだけのものを

なにもかっていない。

ネコのご飯とか、予防注射とかに小金がきえ、

あそびのための消費からとおざかっているさみしい生活だ。

いつのまにかおこづかいがきえてしまう

介護業界特有のさむい生活なので、

ケチにならざるをえないのだけど、

それにしてもあそびごころのない生活はこころをひからびさせる。

ひとは、はたらくために生きるのではなく、

あそぶために生きている、なんていいながら、

こんなふうにちゃんとあそべてないのは

いかにもよろしくないわけで、

ムダな消費ができないこのところのわたしは、

こころの余裕もなくしているいのかもしれない。


物欲を刺激されるものがない、というのもひとつの理由だ。

ある程度のものはすでに身のまわりにあり、

必要さ、という意味からはかわなければならないものは、そんなにない。

とはいえ、あそびとしての消費、

快楽としての消費をいまはかたろうとしているので、

必要性を問題にするべきではないだろう。

値段にかかわらず、

あるものをかうことで知的好奇心がみたされ、

いい気もちになれたかどうかが大切なのだ。


候補となる商品はいくつかある。

iPod用のスピーカーとiPod touch

とりわけiPod touchはまったくしらなかった世界を

体験させてくれるような気がする。

「ど~ん」とかえたときにはぜひ報告したい。

(吉田 淳)