復活! 清志郎
『SONGS』に清志郎がでていたのでみた。
NHKでの公開収録ライブを中心に編集してある。
いつもの曲をいつものメイクと衣装で、なわけだけど、
喉頭ガンの治療をおえての復活ライブだからおめでたいのだ。
清志郎の歌声を、
だれが喉頭ガンをわずらったひとのものだとおもうだろう。
完全に以前の清志郎であり、
元気な清志郎をまたみることができすごくうれしかった。
会場にあつまった500人のファンもおなじ気もちだったのだろう。
カメラにうつるだれもがうれしくてたまらない、という顔をしている。
ステージに熱中している、というのではなく、
清志郎にまたあえたことをこころからよろこんでいるやさしい顔。
すきなひとにたいして、ひとはこんなにやさしくなれるのだ。
ひとのこころねのあたたかさにふれることができ胸があつくなった。
復活といえば、オシムさんについて。
1月31日の対ボスニア=ヘルツェゴビナ戦にオシムさんがあらわれた。
次におこなわれたタイとの試合にもきていたから、
祖国との試合だから、
というよりすきなサッカーが気になってしょうがなかったのだろう。
番組の解説者は「元気そう」とか「しっかりした足どりで」
とかいっていたけど、わたしの目にはずいぶんとやつれ、
ずいぶんちいさくなってしまったオシムさんにうつった。
わたしが信頼するサッカージャーナリスト宇都宮徹壱さんも
おなじことをかんじられたようで、
「オシムの日本代表が
もう2度と戻ってこないことを思い知らされた、
諦念(ていねん)のメモリアル・デー」
としてコラムを発表されている。
わたしもおなじことを期待していた。
「驚異的な回復」をみせるオシムさんがまた代表監督にもどってきてくれたら。
でも、それが無理なねがいであることが、ボスニア戦での映像でおもいしらされたのだ。
オシムさんがスタジアムにこれるだけ回復されたことをよろこびつつ、
これからはほんとうに岡田新体制のもとでやるしかないという現実をうけいれる
さみしい日となった。
(吉田 淳)