ある日の出来事

八雲のスダジイに行きました。

車で看板を見るたびに 『どんなおじいさん?スダジイって』 と思っていましたが、始めて行きました。 立派な立派な、シイの木のおじいさんでした。


出来事はその帰りに起こったのでした。

駐車場で、乗って来た車にエンジンをかけようとするのですが、エンジンがかからない。

『Pに入っちょーし・・・』

『ハンドルロックもかかっちょらんしー』

『おかしいーなー』

「Wさーん!エンジンがかからないんですー!」

後ろで車椅子の操作をしていたWさんに言いに行った。

Wさんはとっても親切に 「あー、ハンドルを少し回したら出来ますよー」と。


二人で運転席に帰ると 「ない!」 さっきまで鍵穴に挿してあったはずの鍵が ない! そして私のかばんも・・・。

  

頭が混乱してきた。

助手席に座っていた利用者のHさんに 「ねー、鍵知りませんか?」 

Wさんも一緒になって 「ねー、鍵知りませんか?」

するとHさんは 『この人たち、何言っちょらえー?』 と言う顔で、車から降りスタスタと、隣の車へ

隣の車の運転席のドアを開け、鍵とかばんを、ポーンとこちらの車へ投げ入れてくれたのでありました。

『あっらー 車間違えちょったかー・・・』


それにしても冷静なHさん、始めから私の行動を一部始終見ておられたのですね・・・。

ほんと、どっちが職員かわからない・・・トホホホ


そのあとHさんは、帰り道の車の中、船を漕いでいるかのような動作で、ぐっすりと休まれていました。余裕です、この貫禄、ずっとお供させて下さい・・・。


           いつも利用者さんに助けられる伊藤でした。