理想とする夫婦
3~4年前の朝の送迎中の出来事。
前方に老人デイの送迎車と思われる車両が道を塞いでいた。
次の送迎を控えていた為、ちょっとイライラした表情で待っていた僕に対して
凛と構えながらも包み込むような笑顔で会釈をされる女性に気がつく。
その女性は、デイサービス車両に乗り込む男性の奥様と推測できた。
歳にして70代?いや、もっともっと若く僕の目には映った。その佇まいが、そう感じさせた。
お世辞にも立派な家とは言えない、木造立ての古びた平屋。
しかし、その周辺には、雑草もほとんどなく、ジョーロやはしご等の道具も奇麗に収納されていた。
僕には、その家が理想の住まいに映った。また、夫婦としてもである。
温かな空気感が自然と溢れ出ていたから・・・
それからは、僕は必ず、その道を通るようになった。
(お二人がいつまでも、今の生活を楽しめるように)
との想いで・・・・。
最近、その光景が見られなくなった。
月日が経つのは、ある意味で残酷である。
想い出も、大切な人も
この世からすべてを奪ってしまう。
みんな、長生きして下さいね。
せめて、僕よりは・・・・。
渡部
次は田崎さんです。