こころがける

内部研修会の講師、川西さんに私は尋ねた。


現場を離れ、寂しくないですか?と。


最初はものすごく寂しかった。今の仕事にモチベーションがもてず、

こんな業務いったいなんのために、と悩まれていた時期があったと。

後輩からは、「川西さんの仕事、私ならしたくない」と言われたそうだ。理由は、つらそうにしていることを見られていたからだと川西さんは語られた。

そんな時に、リーダー育成の研修に(詳しく覚えていないのでごめんなさい)出かけたそうだ。

職場でリーダーやマネジメント業務をするものにとって、一番大切な事は何か?と聞かれ、受講生で議論をした。


統率力?決断力?幅広い視野?いろんな答えがでたらしいが、

研修の講師は一言。

「笑顔でいること」

と伝えられたそうだ。



その言葉を聞いてから、私の中に変化がおきた。

できるだけ笑顔でいよう。利用者はもちろん、職員とも、

いや人と相対するときは、笑顔をみせよう。

そう心がけるようになった。


数日前、思うようにいかないことがあるのか、

ストライキを起こしている利用者をみかけた。

何を言う、するのでもなく、心の底から笑顔で「おはよう」と伝えた。


笑い返してくれた。すぐに起きて動き始めてくれた。

楽しい一日がはじまることを感じてくれたかな。

そう思いながら、室内に誘導した。



またある日のこと。

いつも業務に追われているためか、ひとりでそそくさと食事をしていた職員が、利用者の近くに座って食事をしながら、前にいる利用者と会話をしながら、ごはんを食べていた。

楽しそうだったので、もっと楽しくなれ!と思って遠くから冗談話をなげかけると、また周囲の雰囲気が明るくなった。



川西さん。ありがとう。

あなたが投げてくれた石は、こだまの中で、少しずつかもしれませんが、波紋になってひろがっていきはじめていますよ。

川上