天国でテネシーワルツを・・・
「渡部さん、高倉健さんが亡くなったらしいよ。」
外出先から帰ってきた川上さんからの突然の一言に
(えっ!うそでしょう。)と一瞬、頭の中が真っ白になりました。
僕の最も尊敬すべき日本人の一人であった健さん。
体調を崩したという情報が一切ない中での突然の訃報だった事もあり何倍ものショックが僕の心を襲いました。
健さんの知られざる素顔が生前親しくしていた著名人の証言や多くのマスメディアの報道から明らかになりました。
彼は異常なくらいストイックで義理堅く寡黙で真面目人間という印象を与えていたのも事実ですが、一方で人懐こく、イタズラ好きで少年のような心を持った一面も持ち合わせていました。見方をかえれば誰よりも情感豊かな人間であり、誰よりも寂しがりやさんだったのではないでしょうか?
それにも関わらず、人生の中で一番孤独感と不安感に苛まれるという病床時にごく一部のスタッフにしか、その事実を伝えずに自分一人で病と闘い、そして、ひっそりとあの世に旅立たれてしまいました。本当は多くの心の友に傍にいてほしかったはずなのに・・・。
最後の最後まで「高倉健」を演じきり、僕たちに「夢」と「生きざま」を示してくれました。男の中の男です。
たしかに「健さん」らしいといえばそうなのですが本音をいえば、最後の最後くらいは、ありのままの不安と恐怖の気持ちを心の友にぶつけてめいいっぱいあまえてほしかったと思います。
もう十分、多くの日本人に俳優「高倉健」を認知させ、大きな夢を与えてくれたのだから誰1人として失望する人はいなかったと思います。
だからこそ、天国では役者「高倉健」から解放されて、本名「小田剛一」として妻の江利チエミさんと新婚生活を満喫してほしいと願います。
テネシーワルツをバックに健さんとチエミさんがお互いの顔を見合わせながらワルツを踊っている情景が目に浮かびます。
(健さん、ありがとう。天国では、大好きだった奥さんにめいいっぱい甘えて新婚生活を心置きなく楽しんで下さい。あなたの生き様は一生忘れません。)
渡部でした
次は「健さん」と同じ九州出身の田崎さんです。