モテ期

「モテ期」

最近よく耳にする言葉です。

イブニングに掲載の久保ミツロウ原作の漫画作品で

昨年に森山未來主演で映画になり大ヒットしたことから

ご存じの方も多いと思われます。


信じられないかもしれませんが

実は僕にもそのモテ期と思われる期間があったのです。


今から20年前。大阪でサラリーマンをしていた頃です。

当時の僕はホームレス中学生でお馴染の〈マキフン公園〉のある大阪千里丘の寮に住んでいました。

彼女なし歴を20年連続更新中の相変わらず冴えない生活を送っていました。

ところがです。

入社してちょうど1年が経った頃に参加したあるOLさんとの合コンを皮切りに

僕の目の前には次々と天使が舞い降りてきたのです。

そうです。渡部健史のモテ期の始まりです。


「今度、また会いましょう。」

「連絡先を教えて」

「私の家に遊びに来てね。」


等、20年間モテナイ期しか経験したことがない僕にとっては

想定外の言葉が続き頭が混乱してしまいました。

また、当時の僕は女性に対しては一途で硬派な男を目指していたため

すべての御誘いにを見事に断ってしまいました。

「たけちゃんの大バカ者~。」

心の中で叫びたくなります。


「僕はまだ自分に自信がないんです。あなたを幸せにする資格などありません。」

とぶっちぎった答えを返した事もあります。

その時の相手の人の「はあ~。」と吐き捨てるような一言と怒りに満ちた表情が忘れられません。

しかし、当時の僕は勘違い男驀進中であった為、そんな事もどこ吹く風。

お誘いをお断りした後のお風呂の中で

「おふふふふふ。僕って罪な男だな。硬派中の硬派だぜ。最高にカッコイイぜ。」

と自分の硬派さに酔いしれていました。


これぞ、大バカ者です。

めでたい人間ですね。


それ以降は二度とモテ期が来ることはありませんでした。

やっぱりね。


それにしても何だったのだろう。

あの夢のようなモテ期間は。                    渡 部

それとほぼ全員が僕よりも一回り年上の女性だったのは?

今だになぞ?です。