コロッケは がぶりっと

食事介助をしていた時のことです


揚げたてのコロッケを

熱いだろうし 食べやすく 一口サイズにしておこうかな

と思いながら コロッケに箸をのばした時

「コロッケは がぶりっと食べるのが好きです」

と言われました

私は

はっとして 手をとめ

言われるとおり そのままコロッケを口元にはこびました

すると 

サクッといい音がして

じゃがいもとミンチがとろ~り

「う~ん おいしいぃ~」

と笑顔で言われました


おいしいものを味わうということは

どんなふうに食べるか

ということから はじまるのですね

そんな大事なことを

私は 熱いだろうからとか 食べやすいようにだとか

よけいなお世話をしようとしていました


コロッケをひとつ食べおわると

「もうひとつ 食べようかな」

と言われたので

私は まよわず そのままコロッケを口元にはこびました

なんだか 私も

がぶりっと 食べたくなりました

                       岩田