「論語」入門

先日、ローソンに立ち寄った時の事。  

ふと、書籍コーナーに目をやると

プレジデント別冊『論語』入門という雑誌が視界の中に飛び込んできた。

(ろんご?ろんご?たしか、孔子の書いた本だったかな?)

と「論語」に対しては

その程度の知識しかなかったのだが

なぜか気になり、自然と手にしていた。

左上に780円の表記が見えた。

揺らいだ。悩んだ。買うか買わないか?

その程度の想いならばやめてしまおう。

棚にしまおうとしたその瞬間

表紙の表題下に「心の骨格」をつくろう

という文字が目に入った。

その言葉が決め手となって購入を決めた。


帰って早速ページを開く。

渡部得意の自称速読法でペラペラと全ページをめくる。

すると、刊巻にポケット版『名言集』が付録としてついていた。

(これだ!)と手にして読んでみる。


本体の論語入門は、これにてお役目終了となり本棚へと消えていった。

再会はいつの日か・・・。


論語』名言集、監修は明治大学教授の斎藤孝氏だ。

Nキャス(土曜夜10時放映TBS)のコメンテーターで、みなさん、ご存じだと思う。


論語」に掲載されている章句の数は512ある。

その中から斎藤氏が「人間関係の悩みに効く!」と思った章句28を抜粋している。

一つ一つの章句にテーマを設け、章句の原文、現代文訳、解説と

初心者にもたいへんわかりやすい内容となっている。

一気に読む事が出来た。見事にはまった。

「家族、友人、同僚、知人の一人でも多くの人に、ぜひ読んでもらいたい。」

と強く思った。

いや、世界中の人が、この「論語」を人生の教訓書としたら

世の中がもっともっと生き生きとした思いやりに包まれた

やさしい社会になるのではないかと期待感が生まれた。

渡部のいつもの悪い癖で大げさ病と思う人もいるかもしれないが

ぜひ、一度読んでみてほしい。読んでみたら納得できると思う。


せっかくなので一例を紹介する。

 

1.テーマ:間違った判断を下さないために必要なこととは?

 2.原 文:子曰わく

       蓋し知らずしてこれを作る者あらん。

       我れは是無きなり。

       多く聞きて其の善き者を択びてこれに従い

       多く見てこれを識すは

       知るの次なり。


3.現代文訳:

先生が言われた。「真に道理を知っているわけでもないのに創作する者がいるが、私はそのようなことはしない。たくさん聞いてその中から善いものを選んで従い、たくさん見て記憶しておくようにする。真に道理を知ることは難しくとも、これならばできる」

4.解 説:

今の時代は、インターネットが発達して、情報が氾濫している。情報に接しようと思えば、無尽蔵にできるだろう。しかし、情報が多くなればなるほど、その中でどの情報を選ぶかが重要になってくる。・・・― 略―・・

情報として、価値があり信頼性が高いのは、経験・知性ともに豊かな人が発したものである。インターネットに限らず、こういった人たちの発言をどれだけ集められるかが、正しい判断を下すうえで重要になってくる。

自分の判断力を高めようと思ったら、たくさんの情報を「誰の言ったことか」というふるいにかけ、良質な情報だけを取り上げて吟味することが不可欠だ。

 

まさに、今の自分に問わなくてはならない重みのある章句だと感じた。

   

そのように他の27章句についても

「人間関係の悩みに効く!」解答がたくさん詰まっている。

一番は自分で買う事をお勧めしたい。

   

自分はまだまだ自己満足の世界から抜け出てはいない。

しかし、何となくだが心の基礎はできつつあるような気がした。

                           渡 部