本物の支援者となるために

朝日新聞厚生文化事業団による

「米国ノース・カロライナ大学TEACCH部研修事業」に参加経験があり、

現よこはま発達クリニック院長である内山登紀夫氏の

自閉症スペクトラムに関する作品は数多くあります。


その一作品である「本当のTEACCH」という作品を読みました。


この本も入門から、実践、そして専門分野へと

初心者から関係者に至る多くの人にとって

TEACCHの理念を知るためにはうってつけの作品だと自信を持って紹介できます。

私も「高機能自閉症アスペルガー症候群入門 正しい理解と対応のために」

という内山作品を1冊持っているのですが、たいへん読みやすく

また経験から裏付けられる文章には確信と自信が感じられ、自然と心に落ちていきます。

このような理由により、とても気に入っている著者の一人です。


「本当のTEACCH」のあとがきによると、

内山氏がTEACCHの専門書というべきこの本を書く決意に至った理由は

「アンチTEACCH」の人々に対してはというよりも

「TEACCH派」を自認する人たち、もしくは現場が

本当のTEACCHの理念を理解できていない状況で

自己満足的な支援に満足している疑念を抱かざるを得ないという

不安からというものでした。

この言葉にピンときた私。

私自身も以前から

「自分自身が専門書による知識のみで、

構造化された支援を安易に提供していなかったのだろうか?」と感じていました。

「支援者として一日でも早い実効性のある具体的な支援がしてあげたい。」

との焦りからフライングぎみに支援ツールを使った支援を

何度かしてしまったような気がしてなりません。


思いだけではいけない。

それプラス基盤となるTEACCHの理念、及び

日進月歩で進んでいる自閉症スペクトラム

最新情報等についての知識を確実に習得することで

本当の支援を提供できるのだと思います。

この作品から、その大切なことを再確認出来ました


みなさんも是非、一読してみてください。

                                渡 部