細田守監督バンザイ!

先日、細田守監督の新作劇場アニメ「サマーウォーズ」を見ました。

内容は、(記憶の中をたどっての説明なので、多少違っているかもしれません。ご了承下さい。)


長野県上田市に住む、とある戦国武将の血を引く陣内家の大おばあちゃんの90歳を祝う誕生会が企画される。そこに親族一同が集まり、誕生会を祝うはずが、曾孫の一人である夏希が連れてきた偽装の婚約者:小磯健二(直前まで本当の事を聞かされていなかった。)が何気なく送った携帯からの暗号解読メールにより、インターネット上の仮想世界OZに入り込んだハッカーと誤解され、陣内家と世界中の人々を巻き込んだ大騒動へと発展していく。


インターネット上に存在する仮想世界OZに、強力な侵入者(ウイルス)が入り込み、世界中のシステムというシステムを自由自在に操り、世界中を混乱に陥れていく。

そこで立ち上がったのが、陣内家の人たち。政界、財界、国家機関等、あらゆる機関にパイプを持っている陣内家の謎のスーパーおばあちゃんの突然の死を、また、数字オリンピック代表にもなりうるほどの才能を武器として、一人侵入者に立ち向かおうとする健二の勇気に、陣内家の心が一つになる。電気店社長、自衛隊員、消防隊員、インターネットの達人等の子や孫たちが、自分たちの能力を最大限に生かし、協力し合って、侵入者に戦いを挑む。その結果はいかに・・・・。

と、まあ、こういった内容です。


細田監督の魅力は、表情の豊かさの表現が実にきめ細かい点にあると僕は思います。そのキャラクターの喜怒哀楽が、ストレートに、しかも細かく理解できたような気になります。だから、時間の経過とともに、そのキャラクターに感情移入してしまう。それも無意識のうちにです。映画の内容も現代社会の問題を真正面から取り上げ、その解決策として家族愛による力という答えをだす。人はみな、自己中で、弱虫で、自分勝手ではあるけれど、いざ、大きな大きな共通の問題に直面した時は、解決というゴールに向かって、家族が、友人が、また地球上の全人類が自然と一つになることができるという希望を抱かせてくれた作品です。


細田監督といえば「ハウルの動く城」の監督に大抜擢されたにもかかわらず、途中降板したという件でご存知の方も多いと思われます。その時の辛さは、彼にしかわからないと思いますが、世界中に注目される作品のトップリーダーに抜擢されたのですから、尋常なプレッシャーが彼を何度も襲ったことでしょう。そのうえ、途中降板という大きな挫折を味わっている。にもかかわらず、再びこの世界に戻ってきた細田監督は、生まれ持ってのものなのか、それともこの件が大きな切欠となったのかわかりませんが、相当な強い意志の持ち主だと思います。


劇場用の復帰作となった「時をかける少女」は、最初はほとんど注目をされず、上映映画館も6館ほどだったものが、視聴者からの最高評価の口コミが瞬く間に広がり、日本国中で上映され、またロングランされたという細田守監督の完全復活を裏付けた作品となりました。とにかく、最高の作品です。楽しめます。登場人物が魅力的です。ぜひ、ぜひ、ご覧下さい。お勧めです。


話はそれてしまいましたが、細田守監督の最新作「サマーウォーズ」は、さらにお勧めです。とにかくおもしろい。どんどん引き込まれていきます。DVD発売を待たずに、この作品は、ぜひ、劇場でご覧下さい。

                                     渡 部