秋の空

今日の空は秋、澄みきった青空に白い雲がわいていい感じでした。

こんな澄みきった秋空は、小さい頃の稲刈りのことを思い出す。

島の中でも山の中にあった我が家の田圃は、畝場整理がされていない小さな田圃だった。

 朝から母親が一株、一株刈ってあぜ道に置いてある。それを学校から帰るすぐに田圃に行き

母が刈った稲を背中に背負って、稲を干す場所まで運ぶ。その稲を干す場所は、台風がきても大丈夫の様に

家の裏に等間隔で植えた杉の木に竹をくくりつけて作ってある。田圃からは結構な距離がある。

 子供だったからかなり長く感じたが、夕方までには母が一日で刈り取った稲を運び終えた。

そして暗くなってから、仕事から帰った父と稲を竹に掛けて行く。隣の家の台所の電気がともってもまだ終わらない。

やっと終わって走って家に帰ると、先に帰った母が夕ご飯の支度を終えてみんなで遅い夕ご飯を食べる。

こんな秋の情景が中学生まではあった。その後畝場整理がされて田植機や稲刈機が登場してきた。


 先日八雲の小さな川沿いの道を歩いていると、ちょうど稲刈りが始まっていた。

おばあちゃんたちが田圃の角を鎌で刈り始めていた。懐かしくしばらく見ていると、

コンバインがやってきて、綺麗にあっという間に刈っていく。そのコンバインも

コンピューターで制御されているらしく、稲を刈る部分が自動でいい具合に動いていく。

たった20年ほどしか経っていないのに、人のする作業は大きく変わってしまっている。

「楽になるからいいことなのかなー」「農業をする人がいなくなったのだから、機会に頼るのは仕方ないのかなー」

と考えながら、川沿いの道を進んだ。

すると、栗の木や椎の木が実をつけていた。アケビの蔓も見つけた。


ゆっくりとした時間を過ごすことで見つけた秋だった。