少女から教えてもらったこと

今年も夏の水難事故が多発しています。その度に「もし、自分の子供や知人だったら・・・」と考えてしまい、胸が締めつけられる想いがするのです。


一昨年の夏の事故だったと記憶します。たしか、関東のとある市が民間委託しているプールでの出来事だったでしょうか。吸水溝の溝ブタがはずれて、小学校1年生の少女が吸いこまれてしまい死亡したのです。とってもショックでした。本人の苦しみや両親の気持ちを考えると・・・。


この事件をきっかけに全国のプール施設で一斉点検を始めました。そのおかげでたくさんの施設で不備箇所が見つかり、万全の体制でプール開きができたそうです。その少女がたくさんの事故を、命を救ってくれたのでしょう。この事実を一生忘れないようにすることが少女に対する最大の弔いだと思います。

しかし、ほとんどのマスメヂィアでは、この重要な点を報道されていません。不備を犯した施設に対しての執拗な批判報道。そして1週間もすると全く報道されなくなる現実。悲しく思います。

一番伝えないといけないのは、この事故からの教え。みんなが自分の問題としてとらえ、二度と同じ過ちや悲しみを背負わないようにすることが大切なのだと思います。


仕事でプールに入る機会は多々あります。

あの事故以来、プールに入る時には、自然と吸水口を確認する習慣がつきました。他にもあらゆる事故を想定できるようになり、適度な緊張感の中、プールでのヘルプを続けています。あの少女の事故から気づかせてもらったのです。本当にありがとう。


保育園での幼児バス置き去り事故や送迎バスでの転倒事故等、他にも教訓としなければならない事故はたくさんあります。今までにおきた事故や事件に対して、みんなが加害者のみを攻撃するのではなく、「自分は?自分の事業所は?」とふり返ってみてはどうでしょう。


僕も人に言うばかりではなく、まずは自分に対して問いかけてみようと思います。

                                              渡部