おばあちゃんが、ぼけた。
先日、母が探してほしいと(たまたま新聞でみつけて)いっていた本をようやくみつけて買ってきた。「おばあちゃんが、ぼけた。」著者は村瀬孝生さんという人。理論社から発行されてます。
母が読む前に、先に読んでみたのだがおもしろい。中学生以上を対象としてるので、漢字には振り仮名も打ってあるし、字も大きく読みやすい。時折いたずら書きのようなシュールなおじいちゃん、おばあちゃんの四コマ漫画も入り、思わず笑ってしまう。そのせいで絵本だと思っているのか何度も娘に本を横取りされ、なかなか読ませてくれませんでした・・・。
村瀬さんは、特別養護老人ホームを退職したあと、少人数の生活の場「宅老所よりあい」をつくり、そこの所長をやってるとか。
話はそこで出会ってきた、痴呆をかかえたお年寄りの話。H2Oじいさん、リポビタンDばあさん、ジョーズじいさん、名前を聞いただけでも興味の出てくる登場人物。
ユニークでありながら、独特の節回しで寄り添ってきた人々と自分の向き合い方についてつづられている。なかでも老いることに対し、「付き合う」ことを徹底して行っている。すばらしい。後半は特に。
自分も福祉の現場で仕事を続け、ついつい自分目線で物事を判断してしまうこともあり反省することもあるし、そんな考え方ばっかりの人にはうんざりすることもある。
人を大事にすること、尊重するってどういうこと?ってことをあらためて考えさせてくれました。
これから福祉の道に進もうとしている人はもちろん、今福祉の現場にいる人は難しい専門書なんかよりこっちを読んでほしいな。と思う作品でした。
ちなみに最後の著者紹介にブルーハーツのファンと書いてあった。最高。(川上)