イソップ童話 「宝物を渡しました」

伊藤さんのおはなしに感銘をうけました。

これはいろいろなところに応用のきくすてきなものがたりです。

たとえば。


仁宮さんはある日、むすめの知子さん(27歳)につよくせがまれました。


「お母さんの宝物(ダイヤモンドのネックレス)をちょうだい」

「だめだめ、あれはお父さんがわたしたちの結婚記念にかってくれた大切なものだから」

「どーしてもほしいの。大切にするから、おねがい、お母さん」


値打ちものだし、むすめにはもったいないし、

せっかくだいじにしてきたし、とおもいながらも、

知子さんの執念ぶかさをよくしる仁宮さんは、しぶしぶ宝物の

ネックレスをわたすことになりました。しくしく。


でも、ここからは奇しくも伊藤さんのブログといっしょです。


  宝物を渡しました

  だいじに だいじに していたけれど

  どうしても欲しいと言われ 渡すことにしました

  大切にしてくれそうだったので 渡すことにしました

  渡した宝物は とっても とっても 輝いていました

  何もしてあげられなかったけれど

  「大切にしてくれて ありがとう・・・」と言ってくれた

  こちらこそ 幸せな日々を ありがとう


というわけで、仁宮さんが大切にしていたダイヤモンドの

ネックレスは、紆余曲折をへたのち、むすめの知子さんの首に

かけられることとなりました。


せっかくプレゼントした品をむすめにとられ

夫(敏夫氏)は号泣したけど、

「あなたも32年前に宝物、もらったからいいでしょ」

と仁宮さんはなぐさめました。


それからも3人は口げんかをかさねながらも

しあわせにくらしました。

めでたしめでたし。


(知子さんはその後、たんすにねむる仁宮さんの第2のたからもの・ふりそでにも

目をつけて、おりにふれせがんでいるそうです。

グリム童話よりもこわい仁宮家の実話)

【教訓】

しあわせの家庭は似たようなものだが、

不幸の形はさまざまである(トルストイ)。


(吉田 淳)