ひさしぶりに会う市内の別事業所の職員さんは、
会合の席で、とてもうれしそうに手を振って迎えてくれた。
会合は、今月にある研修のうちあわせ。
私は講師陣の1人として参加することになった。
彼は、数年前から私を講師陣にと推してくれていたそうだ。
「誰かがとは思ったけどやっぱりかあ」などと
なかば、大変さをアピールするような冗談をいってみたが、
彼は至極まじめだった。
私がふざけたくなったのも、その責務からだ。
県からの依頼であり、その重圧はものすごい。
以前にも研修の講師を依頼された経験がある。
その責務につぶされそうになりながら、なんとかこなした。
終わったあとは抜け殻のようになった。
おそらくやった人にしかわからない感覚かもしれない。
でも彼はちがった。会合を終えた帰り際、
「自分の中にある知識を、一度整理して、人に伝えることが大事」
「それではじめて自分のものになる」と堂々とした口調で私に語った。
そういえば、今回の講師を受けようと決めたとき、私も同じような感覚だったことを思い出した。
抜け殻のようになった自分をあらためて奮い立たせる必要があること。
現場の職員にも同じようなことを言い続けているのに、
自分がしないで逃げていたらどうする?と問いかけ、やる気を取り戻したこと、、彼の言葉にはっと気づかされた。
そんな彼に声をかけてもらえたこと自体ほんとうにありがたいことだ。
今回の研修はきっついかもしれんが楽しんでやろう。そう思うようになれた。
研修の内容も基本をあらためてみつめる内容だ。
支援の基本にたちかえり、目の前にいる利用者にむきあう必要があるのだ。
川上