春
さくらの花が満開になって
やわらかな春が感じられる。
冬の閉じられた気持ちが
一気に解放されるようで好きな季節だ。
この時期になると思いだすのが
小さい頃の“せり採り”のことだ。
家から少し山に入った清水の湧きだす
ほとりにたくさんのせりが自生している。
それを、母や大好きだった母方のおばあちゃんと
取りに行くのだ。
根元をしっから持って抜き取り
ある程度の大きさに束ねる。
せりの匂いがあたりをつつんで
春の訪れを感じる体験だった。
その夜は、つんだばかりのせりの料理が
食卓に並んだ。
山や川が生活の身近にあって
季節毎の行いがあった・・・。
最近は、よく子どもの頃のことを
思い出すようになった・・・。
山田