4月に2023年本屋大賞が発表されました。
「凪良ゆう」さん著『汝、星のごとく』という小説です。
ミーハーな私は早速本屋に行き、ハードカバーの単行本を手に取りました。
舞台は瀬戸内海の小さな島。
高校生の男女が出会い、恋に落ちるという一見シンプルなラブ・ストーリーに見えるのですが、2人が一緒に生きていくためには様々な障壁が立ちはだかります。
お互いの家庭環境、貧困、地域社会の窮屈さ、ジェンダーの問題。
人は、誰とどこで生きていくのかという人生を左右するような事柄さえ、自分の好き勝手に選べるわけではありません。
・本当は〇〇の職種に就きたいけど、親が反対するだろうからやめとこう…
・私は××高校に進学したいけど、友達や恋人が△△高校に進学するから、そっちに行こうかな…
皆さんも、程度は違えど似たようなことを思ったことが一度はあるはずです。
ただ、それでも人は「誰かのため」あるいは「誰かのせい」ではなくて、「自分のため」に決断し、行動していいのだということ。
またその豊かさ、尊さを作者が本著を通じて教えてくれているような気がしました。
福祉の現場でも、自己決定の尊重が原則になっています。
自分が何が好きで、今何がしたいのか。
本当の意味で理解しているのはその人自身しかいません。
また、自己決定を通じて「私は私でいいんだ」と、自分自身の価値の尊さに気づいてもらえるよう支援するのが、私たち支援者の勤めなのかな、とも思います。
「自分のため」に決断すること
その大切さに改めて気付かせてもらった一冊でした。
気になった方は、ぜひ書店で手に取ってみてください。
山本とあーでもないこーでもないと、感想戦をしましょう!
さて、次回は渡部さんです。
お楽しみに。