死を覚悟した瞬間

こないだ犬多和と漢字間違われた太田和です。


私は、二十代の前半をマレーシアのボルネオ島のジャングルの中で過ごしました。
そこは電気・水道などのライフラインが届いていないところです。
東京ドーム1.5個分のほとんど未開拓の土地に孤児院を建設するというプロジェクトの立ち上げメンバーとして現地で活動していました。

木と竹で作った床と壁、ヤシの葉を織り合わせた屋根を取り付けた映画のセットのような家を作り、そこを拠点として生活していました。
鶏を飼い、野菜を育て、ジャングルへ狩りにいくというまさにサバイバル生活です。
いろんな物を食べました。水牛、オオトカゲ、ヘビ、昆虫、サル…

そんな生活の中で一番大切なものは、水です。雨だけを当てにしていては生きていけません。

そこで、ある日の朝、ジャングルの密林の奥地へ泉を求めて調査に出かけました。
腰には三日月ナイフ、右手には腕の長さと同じの鉈を携えて。
怖いもの知らずとは言え、一人で未知のジャングルに入るなんて、今思えば自殺行為です。

ジャングルの中を切り開きながら進んでいくこと数時間、泉を奇跡的に発見!小さな滝のように水が溢れでていました。
そこまでは良かったのですが、その帰り道完全に方向感覚を失い、同じところをグルグルと何度も通りだす始末。

真っすぐ新たな道を鉈で切り開きながら進むも、また同じところに出ることを4回繰り返すと流石に焦りだしました。まるで映画の「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の様。

だんだんと太陽が傾き薄く暗くなってきて、ジャングルの空気が変わってくるのを肌でひしひしと感じました。

大型の鳥の声か獣の鳴き声か、訳の分からない奇声がそこら中から聞こえてきて、完全にパニック状態に。

とんでもない棘のある木に身体中を引っ掻け、血だらけになりながら発狂して走り周っている自分がそこにいました。

脱水症状からか意識も朦朧とし、ついには崖から転落したのか、腕を枝が貫通して木に引っかかっている状態になったとき、我に返りました。

「あ、これマジで死ぬやつかも」と・・・

この続きはまた次回「死からの生還」で。



次は野津さんです。