僕が中学生の時だったように記憶する。
同級生の一人に、とっても嫌われていた男子生徒がいた。
最初の頃は、それでも数人の友達とつるんでいたのだが、いつの間にか一人ぼっちになっていた。嫌われても当然の行為を繰り返すその男の子に同情の余地はなかった。
でも、僕はその子の寂しそうな姿を見るたびに、何とか救ってあげたいと思った。
みんなの輪の中に迎え入れたいと願っていた。いや、みんなでなくてもいい。僕一人がその子唯一の友達になってあげたいと思った。
そこで、僕は彼の”いいとこ探し”を開始した。行きも帰りも行動を共にし、彼のいいとこ探しを始めた。でも見つける事ができなかった。そして結局、彼はまた独りぼっちになった。
僕は今でもその事を悔やんでいる。
もう二度と同じような後悔はしたくない。もう二度と・・・。
だからこそ、常に僕は”いいとこ眼鏡”をかけている。そして、”一部を除く”より多くの人の
”いいとこ”を見つける事ができるようになった。
世界中のみんなが、”いいとこ眼鏡”をかける事ができたら、
教室の片隅にうずくまって泣いている子どもたちの姿はこの世の中から消え去るだろう。
きっと。
渡部でした。次は野津さんです。