いのちの歌

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い申し上げます。

 

先日、よめしまの利用者さんに一年の活動を振り返った写真入りの紙を渡しました。

一職員としてではなく、一人の兄として。

そう、我が最愛の弟くんにです。

渡したときは、写真を見ながら何の活動の写真かを母に説明していました。

弟くんは写真がとても好きで、家では自分のエリアに写真や雑誌を並べるほどです。

そのエリアに、ぼくが渡した紙も仲間入りしてくれると嬉しいなと思います。

ラミネートが終わったら、存分に見るんだよ。

あと3枚渡す予定だから、楽しみに待っててください。

 

 

話は変わり、その弟くんがいる実家に今日行ってきました。

先日放送された「紅白歌合戦」の録画をみんなで見ていると、買い物へ行くことになり、父、母、弟くんで出かけました。

 

しばらくすると帰ってきましたが、様子がおかしいです。

どうやら、弟くんが出先でトイレの失敗をして、父が怒っているようです。

怒られて興奮する弟くんに怒鳴る父。

残念ながら、いつものことです。

さらにエキサイトする弟くんに対して、輪をかけたように怒鳴り散らす父。

やはり、いつものことです。

ちょっと意地の悪いぼくは、録画放送を見ながら静観することにしました。

二人の険悪すぎる雰囲気に、いよいよ重い腰をあげようとした瞬間…

弟くんが泣きながら父にすがりつきました。

これは、許しを請うわけではなく、愛情を求める行動です(たぶん)。

今までも見たことがありますが、父が受け入れることはありませんでした。

その後に母やぼくが間に入って場が収まるというのが通例です。

しかし…

父が弟くんを離しませんでした。

「ごぼず(よだれのこと)がついてきたないがや」と言いながらも、

すがりつく弟くんのそばを離れませんでした。

その場は収まり汚れた衣服を交換するために、父と弟くんは脱衣場へ。

部屋に残った母とぼく。

母に「(父が)成長したじゃん」と言った僕に対して、母が一言。

「あんたがおるけんだわね(ぼくがいるから抑えているという意味)」

そうかもしれないけど。

だとしても、父の成長というか変化が嬉しかったのです。

 

下着を替えた弟くんと父が戻ってきました。

ズボンを履けと言う父に、履かしてくれと甘える弟くん。

「自分で履けや」と文句を言いながらも、かいがいしく手伝う父。

その姿を見ながら、聞こえてくる竹内まりやの「いのちの歌」が相まって、

泣きそうになりましたが、グッとこらえました。

 

その後、自宅に戻って掃除機をかけながら、実家でのことを思い出していると、

涙があふれてきました。

ほかの家庭では当たり前に起きているかもしれないことでも、我が家ではそうではありませんでした。

それが、今日起こりました。

母やぼくが介入しなくても、父と弟くんの二人だけで場を収めることができました。

なんというか…

ほんの少しだけど、やっとというか

そんな思いがせきを切って、涙が止まりませんでした。

 

 

時の移ろいにより、人は変わっていく。

それを体現してくれた正月のひとときでした。

 

 

以上、正月早々に長文で申し訳ないと思いながらも書いてしまった八壁でした。

 

明日は久保田さんです。